おきにいりだった、あおいながぐつときいろのかさ。 とてもおっきく見えて、よけていた水たまりを、今では軽く飛び越しながら、 体育館にかざる予定の短冊に、好きな人の名前を書こうか悩む、青い七夕。 期末テストの結果に天を仰ぎ、受験を前に、有無を言わさず塾に強制連行された、 残念な夏休み初日。
ミンミンゼミやクマゼミの声をシャワーのように浴びながら、今日も、会社へと向かう。 どんなに大渋滞になっても、お盆に帰省して、懐かしい景色を眺めたくなるのはどうしてだろう。 孫たちが帰って、火が消えたように静けさを取り戻した畦道。 穏やかにそよぐ稲穂の波に、ツクツクボウシの輪唱が響く。
秋も、もう近い。