深さを増してゆく緑と、平地よりずっと深みのある、夏山の青空。 穏やかな微風に湧き上がる雲は、まるで、綿菓子のようで…。 今回は、どこまでも爽やかな、夏山の頂からご案内いたします。
この写真は、山梨県山梨市、北奥仙丈ヶ岳の山頂から、西~北西方向の風景を撮影したものです。 北奥仙丈ヶ岳は、百名山でもなく、あまり広く知られた名前でもないかもしれませんが、実は、 奥秩父山塊の最高峰であり、標高は2601m。 遠方に伸びる尾根の先、左側に見える金峰山の方が高く見えますが、金峰山の標高は2595mで、 こちらの方がわずかに高い計算です。
そんな北奥仙丈ヶ岳ですが、川上牧丘林道の最高点、大弛峠から、何もなければ、片道1時間半ほどで到着できます。 しかし、自家用車やタクシーを使用しない場合、数時間以上の林道歩きをするか、 甲武信ヶ岳方面、金峰山方面、あるいは乾徳山や西沢渓谷方面からの長大なアプローチが必要となります。 北奥仙丈ヶ岳山頂は、奥秩父の主脈縦走路から、わずかに南側に外れていますが、 訪れる価値の高い場所と思います。 なお、山頂から、大弛峠方面に下山中に撮影したのが、 以前作成した#0271になります。
訪れたこの日は、まだ夏がピークを越える前の、緑に勢いがある季節。 頂に立って、ぐるり景色を見渡した時の爽快さは、奥深い山独特のもの。 静けさと緑に包まれた深山の山頂は、とても穏やかで、 青空と綿雲を眺めながら、 いつまでも、寝そべっていたいような気分でした。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。