どんなにはしってもつづく、いっぱいの、すすきばたけ。3つ4つつんで、花びんに生けて。 お母さんといっしょに、お団子をたくさん作ったお月見の日。しばらく続いた家族行事も、 無性にイライラして、お父さんと何度もケンカ。 修学旅行、せっかく、憧れの彼と同じ班になったのに、カチカチに緊張して、 どう考えても挙動不審だった、あの頃の私。
色づく木の葉を、同じように「きれいだね」って言ってくれた、あなたの横顔。 毎年、同じようで少しずつ違う、紅葉前の記念写真。 この子たちだけじゃなく、ママの心も、ちゃんと成長、しているかしら。 夕暮れ時、藍色の空に輝く、橙色の一番星。 若いころ、お父さんと2人で見た空を思い出してしまう。 「おばあちゃん、どうしたの?」 「ううん、なんでも。帰ろっか」
小さな絆が暖かい、ある秋の夜。