山の夜。夕暮れの先にあったのは、考えていたよりも遙かに多い、星たちの瞬きでした。 今回は、北極星を中心に広がる北方の星空を選び、クリップしてみました。
この写真は、栃木県矢板市、八方ヶ原の一角で、北の星空を撮影したものです。 山中の夜を存分に味わうには山中に泊まるのが一番ですが、秋の夜長なら、 道路沿いの展望台などから、それほど遅い時間でなくても比較的安全に星空を楽しむことができ、 また、その日のうちに帰ることも可能です。 もっとも、夜の山中は、時折、何かの動物の鳴き声が鋭く響き、 近くの草むらがザワザワと音を立てて気配を感じるなど、 生理的な恐怖を感じることも多く、また、実際に熊が襲ってこないとも限りません。 公共交通機関ですと、待ち時間に随分心細い思いをすることになるかもしれませんので、 理想的には、いつでも逃げ込める車があれば安心です。 ただ、場所の選択を間違えると、漆黒の狭い林道を運転することにはなりますが。
訪れたこの日は、日中は人影がありましたが、日暮れと共に他の車の姿は消え、 冷え込みが増して吐息の白が闇に溶ける中、森の気配が、夜を支配していました。 頭上には星々が瞬き始め、北の空には、北極星と北斗七星、カシオペア座が、 気が付けばあっと言う間に、姿を現しました。 見方を変えれば、満天に広がる星空の下、自然に抱かれて過ごすロマンチックな秋の夜。 ひょっとしたら、この日もどこかで…新しい愛の物語が、生まれていたのかもしれません。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。