ちっちゃいころ、ただ、うきうきするだけだった春が、
別れの涙を連想するようになったのは、
いつの頃からだっただろう。
卒業式、涙こぼれる目をギュッとして、両手で、手をつよく握りしめた、友だちのぬくもり。
満開の桜の下、頬を真っ赤にして打ち明けた、本当の気持ち…。
桜が何度散っても、その先にある季節も、ずっと一緒に、手を携えて生きていくと決めた。
そんな、素敵なパートナーと作る未来の先に、ささやかな命の花が、また再び芽を出して。
爽やかな新緑の下、砂場で遊ぶ孫たちを眺めながら、この子が大きくなる頃の世界を想い、
眼を細めた。
今日も、太陽が眩しい。