淡緑に染まる風の香が、今、爽やかに駆け抜ける。 今回は、春色輝く山中の一角から、ご案内いたします。
この写真は、群馬県甘楽郡下仁田町、妙義山の石門広場から、眼下の風景を撮影したものです。 妙義山特有の奇岩とともに展開されるこの風景は「日暮の景」と呼ばれ、とても有名なものなのだそうです。 妙義山は、群馬県に位置するいわゆる上毛三山の一座。 そのギザギザに切り立った特徴的な山容は、関東平野北部を駆け抜けていく上越・北陸新幹線の車窓でも目立っており、 かつて初めて目にした時は、いつかは行ってみたいと思っていたところでした。
「妙義山」と一口に言われますが、実際には山頂は1つではなく、 天狗岳、相馬岳、金洞山、星穴岳など複数のピークから成っています。 地形図を見る限り、最も核心をなす、表妙義における稜線中の最高峰は、相馬岳の1104m。 1000m少しの標高なので、低山と言えば低山なのですが、遠方から眺める印象のとおり、 極めて急峻な岩峰で構成されていて、基本的に上級者向け。岩登りの経験を積んだ方でないと、 山頂を踏むことは困難とされています。 そんな中で、中腹に付けられた「中間道」は一般コースとして歩くことができ、写真の石門広場は、 その一般コースの一角、西側の入口に近いあたりにあります。
石門広場までは、車道沿いの登山道の入り口から、歩程で30分程度。 岩場コースと迂回路があり、迂回路を通れば、厳しい鎖場が連続するようなことはありませんでしたが、 岩場コースは、上から見る限り、かなり急傾斜の鎖場を通過するようで、 特に荷が重いような場合は、十分に注意する必要がありそうです。
訪れたこの日は、4月末の連休中。大勢の人たちで賑わっていたものの、そこは山中。 混雑と言っても、寂しさを感じない程度の程よい混雑具合で、 春爛漫の、のんびりとした新緑の光景を、存分に楽しむことができました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。