若々しい緑、そして、遙かな海の青。 今回は、海を見渡す春の山頂から、ご案内いたします。
この写真は、静岡県静岡市駿河区と焼津市の市境にある、満観峰の山頂から、 駿河湾方向の風景を撮影したものです。 「満観峰」は、標高470mの低山ながら、その名前の字面からして、 いかにも景色がよさそうで、随分前から気になっていた存在でした。 位置的には、東名高速道路でいう日本坂トンネルが貫く尾根筋を、 少し陸側に辿ったところにあり、東西を比較的大きな街に囲まれていることもあって、 マイカーがなくても、交通アクセスは、比較的良好な方なのではないでしょうか。
さて、満観峰の山頂までは、いくつかのルートを取ることができますが、 その一つに、国道1号線、宇津ノ谷峠方面からのアプローチがあります。 JR静岡駅から、比較的本数の多いバスを使って、宇津ノ谷峠方面へ。 峠を貫くトンネルの手前にある、道の駅「宇津ノ谷峠」の手前を左に折れ、 逆川に沿って、車道を上がっていきます。 国道から少し奥へ進むと、長閑な里山的風景の中となり、 緑を楽しみながら行くと、川沿いに広がる集落へ。 家々の間を縫って進み、集落を抜けたところから、道は山道となります。 森の緑や、時折表れる茶畑などを横目で楽しみながら登っていくと、 広く開けた、満観峰の山頂に辿り着きます。
山頂からは、この写真方面の風景の他、東には富士山がとても印象的に聳えるほか、 眼下に静岡市街を望め、逆方向(西側)では、焼津市街とその先が望まれます。 さらに、市街地・海岸線から北側に目を向ければ、南アルプス方面の展望も、得ることができます。 空気の澄んだ季節に訪れれば、かなりの遠望が利くのではないでしょうか。 山歩きそのものを目的とする場合には、 この満観峰のピーク往復だけでは歩き足りない方も多いのではと思いますが、 隣の高草山も含めて歩いたり、日本坂を経由してJR東海道線・用宗駅まで歩いたりと、 色々な楽しみ方ができそうです。
訪れたこの日は、雲もほとんど見当たらない、実に長閑なある春の午後。 例によって少し到着が遅れましたが、山頂にはいくつかのグループがいて、 雄大な景色を、それぞれ、楽しんでいらっしゃいました。 少しずつ傾いていく午後の夕陽に目を細めながら、いつまでも、 山頂の景色に溶け込んでいたい気分に駆られました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。