雪解けの季節、遙かなる、残雪の稜線を想う。 今回は、撮影月はかなり先になりますが、 残雪のアルプスを望む早春の山頂から、ご案内いたします。
この写真は、長野県伊那市と諏訪郡富士見町の市境にあたる入笠山の山頂から、 甲斐駒ヶ岳などの南アルプス北部の山々を遠望したものです。 入笠山は、標高およそ1955m。百名山、甲斐駒ヶ岳から、鋸岳を経て繋がる稜線の先に位置し、 地図上で見ると、南北に長く連なる南アルプスの、北端も近い位置に相当するように思われます。 標高は2000m近くある大規模な山ながら、北東面にスキー場が整備され、 冬以外でも営業しているゴンドラで一気に高度を稼ぐことができるほか、 標高1750m付近の肩まで車道が通じており、交通アクセスには、かなり恵まれています。 ゴンドラの終着点からは、寄り道をしなければ、片道1時間も掛かるか掛からないかで、 山頂にたどり着くことができます。
入笠山山頂からの景色は素晴らしく、写真の南アルプス方面はもちろん、 中央本線や中央自動車道などが通る谷を挟んで向かい側には、八ヶ岳を綺麗に見ることができますし、 諏訪湖の先にある北アルプス方面なども、天気がよければ、見ることができそうです。 訪れたこの日は、春もかなり進んだ休日の午後。 天気に恵まれた山頂は、多数のハイカーで賑わっていて、思い思いの時間を過ごされていました。 新緑もまだこれからの山頂は、陽射しのわりに、かなり冷たい風が吹いていましたが、 それでも、雪解けを迎えた山は、冬場とは比べものにならないくらい穏やかな、春風の中。 防寒着を着つつ、のんびりと流れる午後の景色を、時間の許す限り堪能することができました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。