神無月。穏やかに下る季節、風に宿る、仄かな優しさ…。 今回は、伸びやかな景色が続く秋の山上から、ご案内いたします。
この写真は、長野県南佐久郡南牧村、飯盛山(めしもりやま)山頂付近の登山道から、 半逆光の八ヶ岳南部方面を撮影したものです。 東京都最高峰の雲取山から、甲武信ヶ岳、金峰山、瑞牆山と続く奥秩父主脈。 そこからさらに西へ尾根を辿っていくと、 山梨県道610号線/長野県道106号線が乗越す信州峠を経て横尾山と続き、 河川(大門川)に遮られる前の最後のピークが、飯盛山(1643m)/平沢山(1653m)です。
飯盛山へのアプローチは、JR小海線の清里駅又は野辺山駅から。 清里駅からの場合、若干車道歩きが長いものの、 うまくいけば片道2時間程度で、山頂にたどり着くことができます。 山頂からは、晴れていれば、間近に存在感が大きい八ヶ岳南部をはじめ、 南アルプス方面、富士山方面と、伸びやかで、雄大な景色を楽しむことができます。
訪れたこの日は、本格的な紅葉には少し早かったものの、すっきりと晴れた、ある秋の一日。 他の登山者も何パーティーかいらっしゃいましたが、 混雑しているという程ではなく、時間が進むとともに人の気配も消え、 穏やかな午後の光と、笹音の世界に。 …まるで、自分が大きな錦絵の一部になっているような、そんな気がしました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。