霧が流れる、秋霖の午後。 今回は、川の上流に分け入った山の懐から、秋雨とともにご案内いたします。
この写真は、静岡県静岡市葵区、安倍川沿いを走る県道29号線沿いから、 対岸の緑と、雨の安倍川を撮影したものです。 東京方面からの新幹線で言えば、静岡駅を過ぎてすぐに渡る、安倍川。 遡ると、左に支流の藁科川を分け、新東名が架かる葵大橋を過ぎれば、 緑の気配が濃い山間部へと入っていきます。 さらに、左側に中河内川を分けると、つい先ほどまで市街地を走っていたのが嘘のように、 自然の息吹を感じられるようになってきます。 川沿いを順調に進むと、県道29号線の最奥部にあるのが、静岡の奥座敷とも言われる梅ヶ島温泉郷。 日帰り湯施設もあり、いいお湯が楽しめます。 そこから先は、安倍峠を越えて山梨県側へと続く林道が整備されていますが、 通行止情報には注意が必要です。
安倍川は、南アルプスのいわゆる白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)から南側に派生する白根南嶺、その尾根筋をたどり、 下り進んだところにある山々から、流れ出しています。 源流部の周辺で最も標高が高いのは、2013.7mの標高を持つ「山伏」ですが、 やはり南アルプスから続く大自然の貫禄によるものなのでしょうか、 押し迫る緑からは、何か深い、神秘めいたものを感じた気がしました。
訪れたこの日、雨ということもあってか、他に観光客らしき姿は全く見えませんでしたが、 雨音、川音、滝音と、心地よい自然の水音に、癒やされた一日となりました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。