川面を渡る、冷気、そして寒気。 夕暮れが映える枯れ葦は、もうすぐそこまで迫った、冬への序章を奏でているようです。 今回は、そんな晩秋のひとこまをクリップしてみました。
この写真は、茨城県取手市の利根川河川敷から、 日没間近の夕景を撮影したものです。 常磐線取手駅から約10分ほど。 取手駅前は、駅ビルもあって都会的な雰囲気ですが、 地図を頼りに利根川の土手に上がると、 都心ではなかなか味わうことのできない広大な空間が現れました。
このあたりでは、概ね茨城県と千葉県の県境を流れる利根川ですが、 その茨城県側の河川敷には、ゴルフ場のほか、取手緑地運動公園が整備されています。 芝生広場などを眺めながら、常磐線の鉄橋沿いをのんびり歩いて行くと、 やがて、静かに、けれどもそれなりの速度で流れていく 利根川の水面が見えてきました。
訪れたこの日は、強い冷風が吹き、 もうすぐ訪れる冬を思わせるような、肌寒い晩秋の日。 駐車スペースには車もありましたが、 公園の運動場エリアから離れた川沿いにはほとんど人影はありません。 葦の穂先、流れる川音、そして鉄橋―――。 晩秋が奏でる、たくさんの小さな音の共演は、 孤独を、また侘び寂びの世界を、思い出させてくれました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。