儚くも爽やかな午後の陽を浴びて、今日という日の恵みを楽しんで。 今回は、遠く海をも望む、尾根上のススキ野原から、ご案内いたします。
この写真は、静岡県熱海市と、田方郡函南町との市境にあたる、 十国峠付近の尾根筋から、駿河湾方面を撮影したものです。 見晴らしが良く、また気持ちの良い山上の景色ですが、意外と交通の便はよく、 現地には、ほとんど自力で山登りをすることなく辿り着くことができます。 場所的にも人里から近いため、 逆に、その気になれば、熱海駅を起点に歩くこともできそうです。
公共交通機関でのアプローチは、新幹線も停車する、そのJR熱海駅から。 熱海駅は、海岸から続く、山の斜面の中途にあるイメージですが、 路線バスに乗ってゆるゆると、その裏山的な山を登っていくと、 ケーブルカーの山麓駅、「十国登り口駅」がある、十国峠バス停に着きます。 十国峠のケーブルカーは、 公式ホームページによれば、全長316m、所要時間3分。 いざ麓に立って見上げてみると、見た目もかなり短く見えますが、 そんな短い鉄旅を終えて展望広場に立てば、 (天候にもよりますが、)箱根方面や富士山、駿河湾方面など、 広大かつ雄大な景色を、楽しむことができます。
観光客が集まる広場から少しだけ離れ、ゆるゆると歩道を下ってゆくと、 気持ちの良いススキ原が現れました。 訪れたこの日は、例によって遅れ気味のスケジュールに引っ張られ、 現地到着時には、既に、午後もかなり進んだ頃。 人通りも少なく落ち着いた雰囲気の中、 穏やかな微風にススキがたなびき、秋らしい風情を見せてくれています。 早めの終ケーブルカー・終バス時刻を気にしつつも、 そんな「秋」をいかに切り取ろうかと、一人、景色と向き合いました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。