紅葉も深まった、晩秋の朝。澄み切った空気の中、 ゆらりゆらりと立ち上る、活きる大地の証。 今回は、晩秋の温泉地から、ご案内いたします。
この写真は、大分県玖珠郡九重町、「小松地獄」の遊歩道から、 朝陽に輝く湯煙を、逆光で撮影したものです。 小松地獄は、九重山群エリアの中でも、特に有名なスポットというわけではありませんが、 地下から高温の温泉水がボコボコと湧き出している、 たとえば雲仙周辺で有名な雲仙地獄などと同様の風景が広がっていて、 整備された遊歩道を、ゆっくりと散策することができます。 遊歩道脇には、「たまごむし場」なる看板もあり、看板によれば、92℃の地獄の温度では、 約9分でゆで上がるそうです。
手持ちの道路地図には載っていませんでしたが、小松地獄は、 大きなホテルもある筋湯温泉から、牧ノ戸峠へ向かう細い道沿いにあります。 近くには、大きな湯気が立ち上る、八丁原(はっちょうばる)地熱発電所があり、 道沿いのビューポイントから、その勇壮な姿を眺めることができます。
訪れたこの日は、霜が降りるほどの、冷たい晩秋の朝。 午前中も早い時間ということもあって、他の人影はなく、 湧き出す温泉の音が、山間地の静寂の中に、ただ絶え間なく、広がっていました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。