天の河が天に瞬く、夏の夜。 今回は、夏の終わりに差し掛かった夜半の山中から、ご案内いたします。
この写真は、長野県佐久市と茅野市の市境にあたる、北八ヶ岳の一角、大河原峠から、 小諸市街方面の夜景と星空を撮影したものです。 大河原峠は、標高約2090m。 八ヶ岳の西側から、蓼科山の山裾を巡って東側に抜けることができる、 蓼科スカイラインの途中にあって、蓼科山や双子山への登山口にもなっています。 峠には山小屋もあって、駐車スペースもあり、 山中にありながら、比較的安全に、 そして気軽に、夏山の夜を楽しむことができるスポットのように思います。 駐車場からは、蓼科山を仰ぐことができるほか、北側の展望が開け、 小諸方面の市街地も、眺めることができました。
さて、訪れたこの日、日中は曇っていましたが、 夜も更けてきた頃、次第に、空を覆っていた低層の雲が流れていき、 遙か頭上に、儚くも神々しい星空の世界が、姿を現しました。 天頂をまたぐように架かる、大きな大きな、天の河のアーチ。 北に目を転じれば、北斗七星や北極星といったお馴染みの星たちの中に、 天の河が降り注いでいます。 天の河の右側には、アンドロメダ大星雲も見え、 淡く、そして遠い昔の光を、届けてくれています。 普段、街中では全く見えない無数の星たちですが、 私たちの地球が、いつも、これほどの星たちに包まれているのかと考えると、 小さな悩みなど、どこかへ飛んでいってしまいそうな気持ちになりました。
眼下に目を移すと、人々が創り出す、街灯りが見えています。 ぬくもり色の街の営みと、星々の、蒼い煌めきたち。 こんな風景も、あの日確かに存在した、ある夏の夜の1ページです。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。