穏やかで、伸びやかで。このまま、時間が止まってくれたら、とも…。 今回は、3000m級の主稜線から見下ろした夏山の風景を、クリップしてみました。
この写真は、長野県松本市と岐阜県高山市の県境にある乗鞍岳登山道から、 伸びやかに続く松本市側の斜面を見渡したものです。 北アルプスの一角を占める乗鞍岳一帯のうち、最も標高の高い山頂が、 剣ヶ峰の3025.6m。その頂から眺める景色は、さすがに素晴らしいものがありました。 言うまでもなく、北アルプスの山々は標高が高いため、 一般的には、おいそれと登ることができる山ではありません。 しかし、乗鞍岳は標高2500m以上の主稜線までバスで登ることができ、 他の山頂と比べて所要時間が非常に少なくて済むため、 比較的気軽に高山を楽しむことができます。 もちろん、だからと言って、決して侮ってはいけないのですが。
バスの終点、畳平から、広い道をのんびりと進んで肩の小屋を過ぎると、 ようやく、登山道らしい道になります。 ゆるやかな斜面をゆっくりと登っていくと、 山頂かダミーピークか、見える頂は遠いようにも近いようにも見え、 自分の息と闘いながら、ふと左を見れば。 こちらもまた、近いようで実に遠い、麓までのなだらかな曲線――― まさに、現実離れした光景が、安らぎを与えてくれます。
そうして、また…今年も夏が、過ぎてゆきます。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。