夕暮れの田園に吹き渡る、立秋の風…。 今回は、夏も終わりを迎えようという季節から、ご案内いたします。
この写真は、神奈川県座間市内、少しだけ街道を外れた、田んぼを抜ける道路から、 田園越しの夕景を撮影したものです。 首都圏の西南側で、都心から見て環状風に伸びるJRの路線としては、都心から近い順に、 山手線、南武線、横浜線、相模線と続きますが、沿線の風景は各路線ごとに特徴があり、 都心からの距離に応じて、大いに違うように思えます。 その一番外側を走るJR相模線は、茅ヶ崎駅と橋本駅を結び、 主に相模川に沿って、厚木や海老名を通りながら北上しています。 自動車道で言えば、首都高都心環状線、首都高中央環状線、東京外環自動車道、 圏央道とある環状系道路のうち、圏央道沿線といったところ。 広い関東平野も、ようやくこの辺りまで来ると、のどかな緑が目を楽しませてくれます。 もちろん、360°を見渡せば住宅地もあって、 さすがに、「見渡す限りの田園風景」というわけにはいきませんが、 撮影地周辺には、比較的大きな、のびやかな空間が広がっていました。 訪れたこの日、田んぼの中を通る道には、ごくたまに車が通りかかる程度。 入道雲が、次第に姿を変えていくさまを見上げながら、 気持ちのいい夕景を、ゆっくりと堪能することができました。
残暑もまだまだ厳しい、夏休みの後半。 それでも、立秋を過ぎると、太陽は次第に傾きを増し、 午後も、夕暮れも、まるで、"わび色"のフィルターが被せられたようです。 西方、丹沢の山並みに沈む、真っ赤な夕陽。 黄色味を増した夏稲の田んぼに、 立秋の風が、さわさわ、さわさわ、涼しげにいくつも、駆け抜けていました。
今年の夏が、また1日、去っていきます。
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