with Nikon D800E
フルサイズ対応、かつ手ぶれ補正機能付きの大口径標準ズームレンズ、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR。 私にとってみれば、「ついに出会った理想のレンズ」といった印象の、 今では大のお気に入りのレンズです。 D800Eとの組み合わせでは、先代のAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDよりも、 遙かに増したリアル感と、透明感。 多少の薄暮でも安心して撮影できる、VR機能。 大きくて重い、という大口径ズームレンズの宿命や、 24-70mmといった控えめな倍率であること、といったデメリットを大きく凌駕する画質の美しさで、 現在では、まず初めに持出しを考える、筆頭のレンズとなっています。
その上で、敢えて単焦点レンズを持出すことを考えるのは、 例えば、焦点距離が被っているAi Nikkor 24mm F2Sの場合、
など、Ai Nikkor 24mm F2Sならではの「味」が欲しい場合。 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VRは、 特にこだわりがないシーンでの一般的な撮影には余りあるほどのレンズで、 個人的には大きな不満はありません。
なお、本レンズに限らず、他の大口径レンズにも言えることですが、 D800Eの内蔵フラッシュを使用すると、大きなレンズが影になってしまい、 特に広角系の画角では、不自然な状況になってしまう場合があります。 機材は増えてしまいますが、フラッシュを使う場合には、 やはり、オフカメラで使う方が望ましいように思われます。
◆ 広角端(24mm)
細波が起つ湖のほとりから、対岸へ沈む夕陽風景を撮影したものです。 大画面で見ていると、そのまま写真の中へ吸い込まれて、 撮影時、撮影場所にワープできてしまえるような、そんなリアリティ感。 小さく打ち寄せる細波が、今にも動き出して、足下に迫ってくるような錯覚を、表現できているでしょうか。
今回の現像処理では、ハイライト/シャドウ、白レベル/黒レベル調整のほか、 トーンカーブ調整を行っています。 本来なら、グラデーションフィルターや、 現像段階でのグラデーション処理を行ってもよいシチュエーションですが、 今回のサンプルでは、それらを使わずに済ませています。 黄金色の陽が、波頭にキラキラと映える、冬の夕暮れ。 繰り広げられる荘厳な風景は、寒さを忘れるほどに、ファインダーに夢中にさせてくれました。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 24mm, 1/400sec, f/11, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_100
◆ 望遠端(70mm)
新緑の季節の午後深く、ハイキングコース脇に群生していたウワミズザクラの花を、 いわゆる日の丸構図的に撮影したものです。 個人的には、使う頻度が低い開放f2.8での撮影ですが、小さな白花の可愛らしさを、 春らしく、ふんわりと写し出してくれたような気がしました。 日没も近い、かなり午後も遅い時間での撮影で、現場は仄暗かったのですが、 現像してみると、意外にも柔らかな明るさが表現されていて、少し意外に感じました。 花の撮影には、曇天時の拡散光がよいとも言われますが、 晴れの日特有の透明感は、やはり捨てがたいもの。 完全に暗くなるまでは、諦めずに、色々試行錯誤してみるのも悪くないと、 改めて思った次第です。
今回の現像処理では、シャドウの調整と、トーンカーブ調整を行っています。 新緑が薫る森の入り口で、ゆっくりと、花たちと向き合うひととき。 優雅な時間を味わいながら、春の一日が、のんびりと暮れていきます。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 70mm, 1/800sec, f/2.8, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_400
◆ この組み合わせで撮影したその他の写真(風景Clipへのリンク)