氷と雪に閉ざされた、冷厳の美…。 今回は、厳冬期の冬山を望む展望台から、ご案内いたします。
この写真は、長野県下伊那郡阿智村の林道から、中央アルプス方面に連なる雪の高山を、 望遠で撮影したものです。 #0313と同じ撮影行で撮影した、別方面の風景になります。
中央自動車道の恵那山トンネルの真上からやや南側、神坂峠付近にある、この林道を行くスノーハイキングコースは、 谷を挟んだ真正面に、南アルプスの名山たちが見渡せる楽しいコース。 一方、北側に目を転じれば、中央アルプスの峰々を、より身近な存在として眺めることができます (とはいっても、かなりの遠望には違いないですが)。
改めて地図を見ると、林道は、中央アルプス主脈から恵那山方面に連なる尾根上に位置しています。 地図上で、この主脈尾根を南から北へ辿っていくと、櫂古木山で2000mを超え、 安平路山、奥念丈岳と続き、越百山で2500mを超えます。 さらに、仙涯嶺、南駒ヶ岳と続き、100名山の空木岳は2864m。 そして、熊沢岳、檜尾岳、宝剣岳と続き、3000mに近い標高を持つ100名山、木曽駒ヶ岳へと至ります。 写真では、どこまでが写っているのか、うまく特定できていませんが、 遠くから眺める中央アルプスは、地図上での印象より、遙かに長大なように思われました。
冬の太陽が降り注いでいたこの日、一瞬、陽光が暖かく感じられたような気がしましたが、 仮に麓が10℃だとしても、単純に標高差から計算すると約0℃になってしまう計算で、 不用意にグローブを外してしまえば、凍傷のリスクがあるような冷たい世界。 自然の営みに畏敬の念を抱きつつ、スタート地点へと引き返します。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。