厳寒の風吹く白雪の世界に、夕暮れが迫る。 今回は、真冬を迎えた雪の山中から、ご案内いたします。
この写真は、三重県三重郡菰野町、御在所山の上部にある「富士見岩展望台」から、 南方向を撮影したものです。 #0284と同じ時に撮影したものですが、 切れ落ちた断崖の上から眺めた今回の風景の方が、 よりスリリングな山岳地帯らしさを、感じられるような気がします。
ロープウェイの駅を降りて、伊勢湾方向に伸びる小径に向かいます。 降りしきる雪の中、指導標には気づきませんでしたが、この道は、 麓から山頂へと通じる登山道の一部で、訪れたこの日も、 ロープウェイを使わずに、麓から冬山を登ってこられたパーティーとすれ違いました。
美しい霧氷か樹氷に見とれつつ、低温でフカフカの新雪を踏みしめながら、小径を進みます。 このまま下っていってしまって大丈夫か、と不安になってくる頃、 空中に斜めに張り出した大岩、富士見岩が見えてきました。 柵は設けられているものの、雪氷が張り付いた岩の上はスリル満点で、 特に足回りが雪山装備でない場合、十分な注意が必要です。 冬型の気圧配置の場合、 日本海側から流れ込んでくる雪雲が、鈴鹿山脈にぶつかって雪を降らせると考えられ、 御在所山山頂付近から西側は、完全にガスっていました。 しかし、東側では雲が途切れ、遠く、四日市の工場地帯や、伊勢湾を望むことができました。
ロープウェイの最終時間も迫った、夕暮れの雪世界。 眼下に広がる冬のパノラマに、時間の限り、夢中でシャッターを切りました。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。