with Nikon D800E
フルサイズ対応で、18mmからの超広角な画角が手に入るズームレンズ、AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-4.5G ED。 いわゆる「大口径」的なレンズではなく、VR機能もなくて、 どちらかというと「お手軽な」と形容されそうなレンズですが、 写りの味が私好みのタイプであり、かつかなり軽いため、 山登りの際など、超広角の画角を念のため押さえたい、かつ荷物の軽量化を追求したい時には、 とても重宝するように思います。
広角系のレンズは、どうしても一定の歪曲が避けられませんが、 その歪曲には、それぞれのレンズでかなり特徴があり、例えばF2より明るいような大口径のレンズであっても、 カタログや実機での撮影画像などを見ていて、どうもしっくりこない、 人工的なレンズ感がぬぐえず歪んで見える(見たままの風景感が伝わってこない)… ということもあります。 なぜこのような感覚の違いが生じるのかは分かりませんが、 その点、本レンズは、私にとって、水平感覚等がとても自然に感じられ、 安心して持出すことができます。
一方で、画質の面で言えば、臨場感などは、さすがに AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDなどの大口径レンズとは印象が違い、 あくまで個人的感覚ですが、概ねf11くらいまで絞ると、すっきりした画像が得られる印象です。 また、私の好きな、午後の完全逆光(画角に太陽が入る)シーンでは、 ゴーストがそれなりに派手に出現する印象があり、その点は、理解して活用する必要がありそうです。 (ゴーストの出方も、レンズによって色々な特徴があり、例えば Ai Nikkor 24mm F2Sで現れるゴーストは、 逆光下で、眩しいときに目を細めたり、あるいは手をかざしたときに得られる感覚に近く、 とても自然で、個人的には、むしろ好ましささえ感じられるほどです。 ゴーストがあるから悪い、というものではないと思っております。)
◆ 広角端(18mm)
湖の向こう、遙かな山の端に太陽が没する瞬間を、18mmの超広角で撮影したものです。 拡がる湖面に、夕暮れグラデーションが架かる、広い空。 何の特徴もない見たまま写真、といえばそのとおりですが、 逆に、そのように感じられるほど、現場の状況をよく捉えられている、とも言えるのかもしれません。
今回の現像処理では、ハイライト/シャドウの調整に加え、トーンカーブ調整を行っています。 広角、標準、そして望遠。 代表的なフォトジェニックシーンである日没時には、どのレンズを使ってスタンバイするか、 いつも悩んでしまいますが、その場にあるカメラ本体が1台しかない以上、究極の選択をしなければなりません。 覚悟を決めて選んだ、超広角でのワンシーン。 夕景シーンが終わると、1番星が輝き出し、空も夕闇グラデーションへと変わって、 そしていつしか、星景の世界がやってきます。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 18mm, 1/125sec, f/8.0, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_100
◆ 望遠端(35mm)
初秋の青空の下、下り落ちる滝の表情を、周りの緑の雰囲気を取り込みつつ撮影したものです。 このレンズを手にする時は、通常、 その他の標準系レンズでカバーできない18-24/28mm域を目的にしていることから、 レンズの使用頻度に比べて、望遠端の35mmで撮影した写真は意外と少なく、 この写真は、そんな少ない写真群から選んだ1枚になります。 同じ撮影地、同じ被写体でも、画角や設定を変えれば、1枚1枚、それぞれ微妙に表情が違うもの。 この写真にも、この写真ならではの何かが、宿っているかもしれません。
今回の現像処理では、ハイライト/シャドウの調整と、トーンカーブ調整を行っています。 滝水のしぶきが非常に明るい上に、手前側が日陰となっていて明暗差が大きいシーンですが、 サンプル画像用ということで、敢えてシンプルな現像作業としています。 残暑の中を蕩々と流れる、白映えの滝。 豪快な水音、そして降り注ぐ滝のしぶきを浴びながら、撮影の試行錯誤は続きます。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 35mm, 1/200sec, f/11, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_200
◆ この組み合わせで撮影したその他の写真(風景Clipへのリンク)