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1月風景Clip

今月の壁紙

#0216 「冬氷西影」

由布岳東峰から西陽の由布院盆地(大分県由布市/別府市)
Nikon D700 + Ai Nikkor 24mm F2S


旅手帖

人里を望む、けれど届かない、風と光が支配する場所。 今回は、霧氷が彩る逆光の山岳風景を、冬の一風景としてクリップしてみました。

この写真は、大分県由布市と別府市の市境に当たる、由布岳東峰の山頂から、 西側、由布院盆地方面を撮影したものです。 日本200名山の1つである由布岳(標高1583m。西峰)は、 有名な温泉地である湯布院を見下ろす形で鎮座しており、 その双耳峰は、遠方からでも一際目を引く特徴的な形をしています。 単に霧氷を観察するだけなら、 ロープウェイが掛けられ、観光化されている隣の鶴見岳がお勧めですが、 その感動は、やはり自分の足で登った方が格段に大きいだろうことは いうまでもありません。

さて、由布岳へは一般に、 やまなみハイウェイの一角である南側の登山口から取りつきます。 広い草原を由布岳に向かって横切り、樹林の中をしばし巻き気味に登って合野越へ。 合野越からはジグザグとした道が続き、山腹の傾斜がキツくなってくる頃に 樹林帯を抜けると、眼下に壮大な景色が広がります。 このあたり山肌の傾斜はキツいですが、道はジグザグにはっきりと切られており、 歩きにくさは感じません。 しかし、双耳峰の鞍部である「マタエ」から先は、岩稜帯となります。 特に、西峰へはかなり傾斜の急な、かつ見るからに高度感のありそうな鎖場があり、 初心者向けではないと思われます(このときは辞退しました(笑))。 写真では、その西峰に続く道が、画面右やや後方に見えています。 訪れたこの日、このナイフリッジをゆく登山者を数パーティー目撃しましたが、 見ているだけでも恐ろしくなりそうな高度感で、私自身が岩場向きでないことを、 改めて実感した次第です(汗)。

そして、頂上へ。やはり、山頂からの景色は、達成感とともに、 途中とはまた一味も二味も違った景色に思えました。 歩程は、休み休み行って、通常なら片道2時間半ほどでしょうか。

由布岳は独立峰で、かつ山頂直下の傾斜が急なこともあって、 人里である由布院盆地が想像以上に近くに見えます。 しかし、霧氷が成長するほどに凍える山上の風には、 当然ながら人里のぬくもりなど全く感じられず、 冬の厳しさと淋しさが一際、その大きさを増したように思えました。

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