雨上がり。雲間から差し込む光芒が、旧い記憶の何かを、 一生懸命呼び起こそうとしているような…。 今回は、海風景に広がる美しい光芒を、クリップしてみました。
この写真は、長崎県佐世保市、石岳展望台から、九十九島の一部を撮影したものです。 九十九島という地名は、恥ずかしながら、九州に縁が深くなるまで全く知りませんでした。 首都圏からでは九州は遠く、 九州版の道路地図で「名所」扱いになっている場所であっても、 馴染みのないところが結構あります。 この九十九島も、私にとってはそんな場所の一つ。 暗記(そら)で九州の地図を書こうとすると、 つい手が止まってしまがちな場所だと思われる、長崎県の海岸線。 そもそも、雲仙のある島原半島や西彼杵半島など大きな半島でさえ 私の感覚では形が複雑である上、大小さまざまな島々が浮かぶ九十九島エリアは、 何も見ずに正確に書くことは極めて難しいのではないでしょうか。
石岳展望台は、その九十九島エリアのほぼ南端部にあり、佐世保市街を含め、 ぐるり360°の景観を楽しむことができます。 このエリアには、もうひとつ有名な展望台である「展海峰」がありますが、 個人的には、こちらの石岳展望台の方が好みでした。
訪れたこの日、出発時点では雨模様の曇りでしたが、 展望台に着いてしばらくすると、雲間に光が差し始め、 息を呑むほどに幻想的な光景が。 降り注ぐ光芒は、まるで微風に揺れるカーテンのように、 美しい音色を奏でながら、ひらひらと広がっていくようにも 感じられました。 夢中でシャッターを切っていましたが、 ほんの10分~15分もしないうちに展望台自身も光の帯に包まれ、 あっという間に広がった青空。 まさに、一瞬のシャッターチャンスでした。
頂いたご感想などにつきまして、個別のフィードバックは基本的に行いませんが、 今後の製作の糧に、また今後の写真選択の参考にさせていただきたいと思います。