with Nikon D800E
中望遠のマニュアルマクロレンズ、Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S。 105mmというと、中途半端な画角のようですが、慣れてみると意外と"しっくり来る"画角で、 ズームレンズを使っていても、いつの間にか105mm付近に合わせてしまうこともあるほどです。 本レンズはマニュアルレンズではあるものの、微妙なボケのバランス(?)から得られる"味" ―――透明感や臨場感がとても好みで、撮影目的の旅路などに、相変わらずよく持ち出しています。 ただし、見た目の割に重めなので、持ち出しレンズの選別の際に悩みますが。
中望遠であるためか、結構見た目では遠くにある被写体でも「無限遠」でないことも多く、 ピントを外しやすいのは、まだまだ修行が足りないといったところでしょう。 本当は、毎回しっかりフォーカスエイドを使えばよいのですが、 ピントを合わせたいところがフォーカスポイントの外側にあることもよくあり、 勘に頼ってしまいたい誘惑に駆られます…。
若干黄昏時に近づいた、午後深い早春のある日、梅の花を、非常に近い距離から撮影したものです。 まさに、マクロレンズ本来の使い方ということで、 とても綺麗なぼけ味を得ることができました。 この写真では雄しべ付近にピントが合っていますが、 至近距離のf2.8ともなると、被写界深度は極めて浅く、 すぐ後ろにあるはずの花びらが、早くもぼけています。 それでも、その感じは、自分が直に見たときの感覚に良く似ていて、 自分としては全く違和感がありません。 「見たまま」の感覚を記録できるというのは、とてもありがたいことで、また、嬉しいことでもあります。 こんな感覚が、レンズ沼の、1つのゴールなのかもしれません。 マクロ域のぼけ味の感触など、皆様のご参考になれば幸いです。
今回の現像処理は、シャドウ・ハイライトの調整と、一部トーンカーブの修正を行っています。 梅の香りが仄かに漂う、春の梅林。 匂いの源に近づいていくと、ひときわ甘い香りが、鼻の奥をくすぐります。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 105mm, 1/1600sec, f/2.8, WB:晴天, ISO_320
◆ この組み合わせで撮影したその他の写真(風景Clipへのリンク)