with Nikon D800E
F4通しの望遠ズームレンズ、AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR。 単焦点を除くと、これまで望遠焦点域では、 AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VRを相棒として持ち出すことが多かったのですが、 一般的な使用には問題ないながらも、どこか、「今ひとつ」感が残っていたのが実感でした。 本レンズから得られる画像は、とても臨場感があって心がざわつくほどで、 AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VRと比べると、どこか「突き抜けた」感覚。 手ぶれ補正の威力も絶大で、少しくらい夕暮れとなっても、 結構、手持ちで粘れるように思えます。
200mmまでの望遠があれば、 広大な風景を、少し引き寄せる場合や、花壇の花を大きく写したい場合など、 風景写真的な被写体のうち、かなりの割合をカバーできます。 もちろん、遠方の波頭、夕日や朝日、月の拡大など、 200mmで足りないケースもあって、悩みは続くわけですが…。 F2.8のレンズと比べれば、画質に違いがあるのかもしれませんが、 公共交通機関を主体とした旅では、 パッキングした時に「持ち歩ける常識的な重さ」であることも大切なメリットの1つ。 見た目と比べると少し重い印象があり、さすがに「とても気軽に」とはいきませんが、 今では、望遠系レンズの第一選択として、連れ出す機会も多くなっています。
◆ 広角端(70mm)
季節は冬、湖の、遙か対岸に連なる山々を、望遠で狙ったものです。 日没後の暗い時間帯ですが、手ぶれ補正のおかげで、まだまだ手持ちで頑張れる時間帯。 残照のグラデーションからブルーモーメントへ、美しい景色の変化を、 ただひたすら撮り続けること数十分。 月や星々が、紺色の空に映える頃には、さすがに三脚の出番です。
今回の現像処理は、トーンカーブの調整のほか、シャドウ&ハイライトの調整を行っています。 画質などの心配は全く無用で、撮りたい絵柄に集中できる、本レンズ。 少しずつ表情を変える、空色や雲形に試行錯誤しながら、 楽しかった一日が暮れていきます。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 70mm, 1/160sec, f/8.0, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_400
◆ 望遠端(200mm)
初夏の夕暮れ、遠方に見えた入道雲を、望遠端で狙ったものです。 フレーム外には、電柱や家々の屋根など、全体としては全く別の印象な風景が広がっていました (それはそれで風情はありました)が、望遠で切り取れば、雲の迫力だけが、身近にグッと、迫ってくるようです。
今回の現像処理は、トーンカーブの調整のほか、シャドウ&ハイライトの調整を行っています。 夏の入道雲は、よく観察していると、 あっという間に形を変え、モクモクと天高く成長していきますが、 今にも、もっともっと高く伸びていきそうな、そんな臨場感が、 目前に迫ってくるようです。 まだ、夕立が降るほどには、少し成長が足りないように見える入道雲。 夏が深まり、梅雨が明ける頃にはきっと、さらなる大入道が登場することでしょう。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 200mm, 1/500sec, f/8.0, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_400
◆ この組み合わせで撮影したその他の写真(風景Clipへのリンク)