with Nikon D800E
比較的軽めながら、105mmまでのやや高倍率が嬉しいAi AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)。 D700との組み合わせでは、写りが悪いわけではないのですが、どこか靄が掛かったような、 不思議な違和感を感じた部分もありました。しかし、D800Eとの組み合わせではそのような印象はなく、 臨場感も含め、すっきりした絵が得られるような気がしています。 VRがないことや、広角側が28mm始まりであることで、「万能」とまでは言えない部分もありますが、 それは、ないものねだりというもの。 105mmまでの中望遠をカバーしているので、別に望遠レンズを持って行かなくても諦められるケースもありますし、 それほど大きく重くないことも、魅力の一つと感じます。 必ずしも「本気撮り」でない時のお供にはぴったりで、 本レンズは、D700メインの時代と比べ、持ち出しの頻度はずっと高くなっています。
◆ 広角端(28mm)
落葉樹の森が続く下山道の途中で、逆光に映える紅葉に惹かれ、振り返って撮影したものです。 荷を軽くするために三脚は持参しておらず、手持ちで何とかするしかなかったため、 感度をあげて絞りを開け気味にし、シャッタースピードを稼いでいます。 本来なら、ハーフNDフィルターを使った方がよい場面な気がしましたが、 時間があまりなかったこともあって、現場では使用できませんでした。 それでも、現像の後処理で、必要な程度は回復することができたような気がします。 D800Eは、以前のモデルに比べてダイナミックレンジが広がった印象で、 液晶画面上の見た目の黒つぶれなどは、後処理を工夫すれば、かなり回復できるような気がしています。
今回の現像処理では、トーンカーブ、露光量、ハイライトとシャドウの調整のほか、 段階フィルター(ハーフNDフィルター的な効果を、後処理で実現できる)を少し使用しています。 紅葉が進んだ、晩秋の里山。 山懐の風景の中で、不思議な落ち着きを感じるのは…ひょっとしたら、 身体のどこかに刻まれた、太古の記憶なのかもしれません。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 28mm, 1/250sec, f/5.0, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_640
◆ 望遠端(105mm)
晩春の竹林の表情を、中望遠で覗いたものです。 かなり暗めの条件下でしたが、開放気味にした上で、手持ちで頑張りました。 後で拡大して確認したところ、数枚撮影したうち、幸いにも手ぶれが避けられていた1枚です。 ピントはマニュアルで、後ろの方の葉っぱに合わせています。 前ボケも含め、ボケ味にそれほど違和感がなく感じるのは、 このレンズのよいところなのかもしれません。
今回の現像処理では、トーンカーブの調整とレベル補正を行っています。 太陽が大分傾いて、夕暮れも近づいた頃。 風のない静かな竹林では、光の表情だけが、移ろっていきます。
↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸:1200×801ピクセル)
▲ 105mm, 1/80sec, f/4.5, -0.33Ev, WB:晴天, ISO_400
◆ この組み合わせで撮影したその他の写真(風景Clipへのリンク)