ニコンD200も、自信を持って使いこなせた！などと言える状況では全くないのですが、 あえて不満を言えば、好きな広角側で、明るい単焦点レンズが使いづらい、という点がありました。 非常に高額なレンズを買えば不可能ではないのですが、やはり二の足を踏んでしまいます。 ズームレンズAF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)も十分綺麗ではありますが、 一度単焦点の美しさにハマってしまうと、どこか物足りない気分がありました。 さらに、D700の機能のうち、特に高感度とアクティブＤライティングについても興味があり、 清水の舞台から飛び降りる気持ちで、思い切ってD700に乗り換えることにしました。

まず感じた違いは、 DXフォーマットからFXフォーマットに変わり、ファインダーの画像も大きくクリアになったこと。 特にマニュアルレンズでは、ピントが合わせやすくなったように思えました。 しかし、視野率９５％の感覚はD200と全く異なっているため、 ファインダーに映る範囲と実際の写真に写る範囲の感覚を身体で覚えるまでしばらく時間が掛かり、 最初の頃は、どうも構図が思い通りにならない感じが続きました。 また、被写界深度の感覚が全く違うため、特に風景写真の場合、 相当絞り込まないとパンフォーカスが得られません。

写真画像は、D200と比べると、何となく「濃厚」というイメージで、 色に奥深さがあるような気がしました。ただし、ピクチャーコントロールを弄ると、 いろいろ変わるのかもしれません。 D200の時もそうでしたが、出荷時設定のまま設定をカスタマイズしないと、 全然自分が想定した色合いにならず、好みの設定を探し当てるまで、自分なりにかなり苦労しました。

念願の高感度は、まさに期待通り。ISO_1600までであれば、 細かく見ればもちろんノイズはあるものの、夜景や星空撮影であってもあまり気になりません。 ISO_1600で数十秒シャッターを開けると、美しい数多の星たちがよく写ります。 フルサイズで使用できる純正レンズには、 広角から標準域においてあまり手ぶれ補正付きのレンズの種類がなく、 手持ちのレンズにもないのですが、その結果、特にズームレンズでは手持ち撮影でのスローシャッターが厳しく、 せっかくの高感度と相殺されている気もします。 一方、軽い単焦点レンズとの相性は、撮影していて嬉しくなってくるほどです。

アクティブＤライティング機能は、今の最新機種では向上しているのかもしれませんが、 思ったほど効かず、コントラストが強い場面では、D200の時と同じように、 ハーフNDフィルターをうまく併用する必要がありそうです。 でも、アクティブＤライティング機能は、ないよりはあった方が当然いいことは言うまでもなく、 特にRAW画像を現像する際、細かい細部がつぶれずに残っていてホッとすることもありました。

ほかによく使う機能としては、水準器があります。 レンズによっては水平が分かりにくいことが多々ありますが、 ファインダー内に水準表示を出して補正可能となったことで、かなり安心感が強まりました。

下の２枚の写真は、同じ場所・同じ時間にほぼ同じ方向を、D200とD700それぞれで撮ったものです。 もともと、比較のために撮影したものではないので、焦点距離や構図が若干違っていますし、 D700の方は少しハイキー調になっています。 また、そもそもレンズが違うので、単純に比較することは当然できません。 ただ、これは偶然ですが、たまたまシャッタスピードや絞り値が同じだったので、 少しはお役に立つかも、とアップしてみることにしました。

この２枚の場合、自分としては構図はD200の方がお気に入りではありますが （D700は24-85mmレンズだったので、これ以上の望遠になりませんでした(^_^;）、 皆様方のご参考になれば幸いです。
※注：24-85mmは、レンズ設計が若干古いためか、パープルフリンジが発生していました。 画像がクリアだった18-200mmと比較しやすくするため、パープルフリンジはソフト上で補正処理を行っています。

↓ サンプルはクリックで拡大します。(原寸：800×532ピクセル(D700)/800×536ピクセル(D200))

(1) Nikon D700+Ai AF Zoom Nikkor 24-85mm F2.8-4D(IF)

▲ 85mm, 1/320sec, f/6.3, +0.3Ev, AWB, ISO_500

(2) Nikon D200+AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)

▲ 75mm(35mm換算で112.5mm), 1/320sec, f/6.3, +0.3Ev, AWB, ISO_400